1. 提携先

    充実のサポート体制

  2. 院内紹介

    快適な治療をご提供いたします

  3. アクセスと診療時間

    アクセスしやすく、通いやすい時間帯

  4. クリニックの理念

    医師として誠実であることを誓います

  5. ごあいさつ

    なりたい想いに
    最高の技術でお応えしたい

再生医療について

細胞培養センター(CPC)

肌の再生医療に必要不可欠な細胞培養センター(CPC)

私たちは細胞培養センター:シーピーシーCPC(Cell Processing Center)と呼んでいますが正式には、特定細胞加工物製造事業所(法律用語)と言われています。そして細胞を用いた細胞医療にはこのCPCが必要不可欠になります。

細胞医療ってなに?

医療とは大まかに2種類に分けることが出来ます。ひとつは「お薬」を使った医療です。お薬には漢方薬も含みます。もうひとつは、切って取ってしまう医療(つまり外科)です。悪いところを取り除いたり、骨折したところを切って継ぎ合わせるのもこの範疇に含みます。

今皆さんのまわりにある医療は、この2つのどちらかに分類することが出来ます。そしてこれらの概念は非常に古くからある概念です(漢方薬は5000年、古代インカでも手術は行われていました)。しかし細胞を医療に用いるという考えは比較的新しく、その歴史は1960年代の骨髄移植(造血系幹細胞移植術)により始まったにすぎません。

この頃は、細胞医療である骨髄移植は再生医療という概念ではありませんでした。1980年代に入ると熱傷用治療のために培養表皮の開発・臨床応用が始まり、時を同じくして培養角膜、培養軟骨などの臨床研究・応用が模索され始めました。このころになると組織再生医療などと呼ばれ始めました。

造血系幹細胞移植術

骨髄移植は白血病など血液の病気の方の骨髄を破壊(放射線や薬剤など)した後に同じ型(HLA)を持つ他人の骨髄(造血系幹細胞)を移植するというものです。
血管の中には血液が流れています。血液は①赤血球、②白血球・リンパ球、③血漿の大きく3つに分類できますが(牛乳が乳清、脂質に分離できるのと同じ)、それぞれに役割があります。

①の赤血球は酸素を体の隅々まで運ぶ役割。②の白血球・リンパ球は体内に悪いものが入ってきたときにやっつけるパトロールの役割。そして③の血漿にはタンパク質やコレステロールや糖などの栄養が溶け込んでいます。(コレステロールと聞くと何だか悪者のようなイメージがありますが、コレステロールが悪いのではなく、過度のコレステロールが悪いのです)

血液の中の細胞成分(つまり①②)は短いと数日、長くても数か月の寿命しかありません。そこで、骨髄の中には血液の中の細胞成分(つまり①②)を毎日作り出す女王蜂のような親玉(造血系幹細胞)が存在しています。

血液の病気である白血病などは、この女王蜂が正常の働き蜂である①赤血球②白血球・リンパ球を作れなくなった病気です。従い、白血病など血液の病気の方の骨髄を破壊(放射線や薬剤など)した後に同じ型(HLA)を持つ他人の骨髄(造血系幹細胞)を移植する臓器移植医療なのです。

肌の再生医療を行うためのCPC

肌の再生医療はご自身の肌細胞を用いた第2種再生医療(※)です。肌の再生医療をご提供するためには、細胞を操作・調整するためのCPCが必要不可欠です。

松本クリニックではCPCの全ての作業を株式会社セルバンクに委託しています。株式会社セルバンクは、肌の再生医療だけではなく、大学との共同研究や、心筋梗塞の患者さんに対する再生医療、心筋細胞の保存などを行う総合的は再生医療支援会社です。

(※)法律では再生医療をその難易度や管理の重要性から3種類に分類しています。一番規制が厳しいのが1種再生医療であり、規制が緩いのは3種再生医療です。

1種再生医療:iPS細胞や遺伝子を用いた再生医療
2種再生医療:幹細胞などを用いた再生医療
3種再生医療:がん免疫療法、血小板療法など

徹底した運営管理の下、お預かりした細胞を操作する専門施設、細胞培養センター(CPC)

細胞培養センター(CPC)は24時間稼働の無菌室で外界と遮断された構造を持ち、外界からの汚染を防ぐ為の様々な工夫を凝らしております。

細胞培養センターは5つの部屋から成り立ち、用途・清潔度から大きく分けて3つの区域に分れています。 5つの部屋全ては各々固有の室圧にコントロールされています。メインとなる細胞調整室の清潔度がもっとも高く、室圧も他の清浄区域に比べ高く制御され外気の侵入を防いでいます。

細胞培養担当者が作業スペースに至るには、扉を開けエアロック室(第1段階の清浄区域)から入り、次に前室(さらに清潔度の高い第2清浄区域)に入ります。そこからガウニング室に入室し、細胞調整室に入室します。 この間徹底した無菌操作を行います。

CPCの管理基準

当CPCでは、「再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」に基づき、CPCにおける管理運営を行っております。管理基準のポイントは、①間違いの防止、②汚染防止、③品質保証システムの確立です。

①間違いの防止

全ての細胞加工業務は、製造に関しては製造管理責任者の責任と指示の下、試験に関しては品質管理責任者の責任と指示の下、それぞれの作業者は作業を実施しなくてはなりません。また作業内容は全て記録書として、文書化し、確認、照査、承認され、保管管理をされます。

こうした責任体制に加え、全ての検体から試薬に至るまで、バーコード管理されており、記録は勿論ですが、指示と異なる検体を読み込むと作業が出来ないようにシステム的に制限されております。合わせて作業者は二人一組で確認を行うことを義務付けております。

②汚染防止

汚染防止をするため、衛生管理基準を定め、運用しております。各部屋における更衣方法から手洗い方法、作業時における培養スタッフの動きに関しても基準を設けております。また設備の清掃等に関しても基準を設け、それを記録管理することで汚染防止を徹底しております。

③品質保証システムの確立

安全な細胞を提供するため、品質保証システム(QMS)を確立しております。逸脱や変更、文書管理方法や設備機器のバリデーション方法に至るまで、手順書を設け、安全な細胞を提供できる環境を整えております。

細胞培養センター(CPC)

徹底した運営管理の下、あなたからお預かりした細胞を操作する専門施設。細胞培養センター(CPC)は24時間稼動の無菌室で外界と遮断された構造を持ち、汚染を防ぐための様々な方法が取られております。CPCは、清浄度から4つに区域(グレードA~D)に分かれ、24時間温度や室圧、清浄度などがモニタリングされ、記録されております。それぞれの用途に応じて、こうした区域が設定管理されており、区域に合わせて、入室人数制限や教育訓練を受けた者のみが入室が出来るように管理しております。

細胞培養担当者が作業室に入るには、エントランスで手洗いの後、前室(第一更衣室)で一次更衣をして、廊下へ進みます。さらに、より清浄度の高い着衣室(第二更衣室)にて更衣を行った後に、エアロック室を経由して、細胞の調製を行う部屋である細胞調製室へと入室が可能です。また退室の際は、入室した部屋とはまた別の部屋(脱衣室)から脱衣し、退室し、前室へと向かいます。 こうした施設管理をしつつ、上記に示した管理基準の下で、徹底した無菌操作を実施しております。

再生医療に関するご質問・疑問点など、お気軽にお問い合わせください。